HS-CWによる流星散乱通信 1st QSO

 CQ誌 98年8月号にHSーCW(High Speed CW)による流星散乱通信の記事が掲載されており興味深く読みました(「現代版:流星散乱通信への招待」 7-11月号に連載)。そんな折り、福井のJA9BOH 前川さんが、7月29日に50MHzで大田区のJR1ING 菊川さんとの間で JA9BOH → JR1ING のHS-CWによるMS QSOの1WAYを成功させ、2WAY QSOの相手を探しておられるとの菊川さんから聞きました。そこで、前川さんと50MHzでスケジュールを組み、98年8月4日、MS(Meteor Scatter)を介したHS-CWの2WAY QSOに成功しました。これはJAでの1st QSOだと思われます。

 私の所ではエコー(流星に反射して聞こえる受信音)が沢山聞こえましたが、JA9BOH局の方では、エコーはあまり受信できなかったようです。これは、送信出力の違いと思われます(BOH 40W、GKZ 10W)。
 今回のQSOで50MHzであれば簡単な設備でHSーCWによるMSでのQSOができることが確認できたことになります。10WでもQSOは可能ですが、50W程度は欲しいところです。私も50W出していればもっと短時間にQSOが成立したものと考えられます。

 8月4日のログを下表に示します。
 交信は9A4GLが開発した MS DSP というHS-CW用のソフトを使いました。このソフトは、DOSベースのソフトでサウンドカードを介してHS-CWの通信をおこないます。受信した信号をスローで再生する機能と高速CWを打ち出す機能を備えた優れものです。MS DSPは、9A4GLのサイト、http://www.qsl.net/9a4gl/index.htmlから入手できます。
 運用は、2分半送信/2分半受信としました。HS-CWの速度は、6000lpm(letter per minute:6000字/分)です。レポート交換などの運用方式は北米方式を用いました。
 表中、「*」は送信内容、[]内は受信した文字です。「WAV」をクリックすると、受信音が再生できます。このWAVファイルをセーブし、1/50程度の速度で再生すると聞き慣れたCWが聞こえてきます。


1998年8月4日 JA9BOHーJN1GKZ HS-CWによるMS QSOのLOG
時間JA9BOHJN1GKZコメント
2300.0*JN1GKZ JA9BOH2300[JN]JA9BOHが呼び出しを開始
「JN1GKZ JA9BOH」を2分30秒送信
JN1GKZは受信状態
2302.5 *JA9BOH JN1GKZJN1GKZが呼び出しを開始
「JA9BOH JN1GKZ」を2分30秒送信
JA9BOHは受信状態
以後、2分30秒毎に送信/受信を繰り返し
2305.0*JN1GKZ JA9BOH2305[9BOH]
2306[BOH]
 
2307.52309[?] 記録失敗*JA9BOH JN1GKZ 
2310.0*JN1GKZ JA9BOH2311[JN1GKZ JA9BOH]
         WAV1
2311[JN1GKZ JA9BOH]
2312[JN1GKZ JA9BOH]
2311に受信したエコー「JN1GKZ JA9BOH」で双方のコールを確認 受信レポートは26
2312.5 *JA9BOH 26 JN1GKZ 2626双方のコールを確認したのでレポート26を送信
JA9BOHはまだコールが受信できていないのでコールも合わせて送信
2315.0*JN1GKZ JA9BOH2315[JN1GKZ JA9BOH]
         WAV2
 
2317.5 *JA9BOH 26 JN1GKZ 2626 
2320.0*JN1GKZ JA9BOH2320[N1GKZ JA] 
2322.5 *JA9BOH 26 JN1GKZ 2626 
2325.0*JN1GKZ JA9BOH2327[?] 
2327.5 *JA9BOH 26 JN1GKZ 2626 
2330.0*JN1GKZ JA9BOH2330[?]
2332[H JN1GKZ]
 
2332.5 *JA9BOH 26 JN1GKZ 2626 
2335.0*JN1GKZ JA9BOH  
2337.5 *JA9BOH 26 JN1GKZ 2626 
2340.0*JN1GKZ JA9BOH  
2342.5 *JA9BOH 26 JN1GKZ 2626 
2345.0*JN1GKZ JA9BOH  
2347.5 *JA9BOH 26 JN1GKZ 2626 
2350.0*JN1GKZ JA9BOH2350[JN1GKZ JA9BOH]
2351[GK]
 
2352.5 *JA9BOH 26 JN1GKZ 2626 
2355.0*JN1GKZ JA9BOH2355[GKZ JA9]
2356[JN1GKZ JA9BOH]
 
2357.52358[JA9BOH 26 JN1GKZ 2626]
           WAV3
*JA9BOH 26 JN1GKZ 26262358に受信したエコー「JA9BOH 26 JN1GKZ 2626」でコールとレポートを確認
受信レポートは26
0000.0*R260001[R26] WAV4コールと自局のレポートが確認できたので「R」と相手局のレポート「26」を送信
0001のエコーで「R26」を確認しJA9BOHがコールとレポートを受信したことを確認 自局のレポートも確認
0002.5 *JA9BOH 26 JN1GKZ 2626
0003 *RRR
レポートを確認したので「RRR」を送信
0005.0*R260005[R26]
0006[R26]
 
0007.5 *RRR 
0010.0*R260010[2]
0011[?]
 
0012.5 *RRR 
0015.0*R260016[R26]
0016[R26]
 
0017.5 *RRR 
0020.0*R260020[R26]
0021[R26]
 
0022.50024[?] 記録失敗*RRR 
0025.0*R26  
0027.50029[RRR] WAV5*RRR0029に受信したエコー「RRR」でJN1GKZがレポートを受信したことを確認し交信が成立
0030.0*730031[?] 記録失敗
0032[?] 記録失敗
「73」を送信開始(73の送信は必須ではない)
0032.5 *RRR 
0035.0*730037[?] 
0037.5 *RRR 
0040.0*730040[?]
0041[?]
0042[73] WAV6
 
0042.5 *730042のエコーで「73」を確認
0045.0*730046[73]「73」の送信を開始(JA9BOHは73を確認できなかった)
0047.5 *73 
0050.0送信停止  
0052.5 *73 


WAVファイルの説明

  • WAV1 [JN1GKZ JA9BOH] 8/4 2311 JN1GKZ受信
         4秒後に2つめのエコーが入感
  • WAV2 [JN1GKZ JA9BOH] 8/4 2315 JN1GKZ受信
         今まで受信した中で最大かつ最長のエコー
  • WAV3 [JA9BOH 26 JN1GKZ 2626] 8/4 2358 JA9BOH受信
  • WAV4 [R26] 8/5 0001 JN1GKZ受信
  • WAV5 [RRR] 8/5 0029 JA9BOH受信
  • WAV6 [73] 8/5 0042 JN1GKZ受信

  • WAV7 [JA9BOH JN1GKZ] 8/4 0614 JA9BOH受信
         8/4朝もQSOにトライしたが成立せず JA9BOHでの受信状態が良好だった


    交信に使用した設備

    JA9BOH 福井県大野市 PM86FA(東経136.5度、北緯36.0度)
     RIG:FT-655 40W PEP
     ANT:3素子八木 水平偏波 12m高 方位90度、仰角30度
     PC:FMV475NL/S note 486DX4 75MHz Windows95 + 内蔵サウンド
     ソフト:MS DSP Ver0.70 beta


    JA9BOH 3素子八木

    JN1GKZ 東京都東村山市 PM95RR(東経139.5度、北緯35.7度)
     RIG:FT-726 10W
     ANT:ヘンテナ 水平偏波 7m高 方位270度、仰角10度
     PC:486DX2 66MHz DOSマシン + 純正サウンドブラスタカード(SB16)
     ソフト:MS DSP Ver0.70 beta


    JN1GKZ シャック(左:FT-726、右:MS DSPの動作画面)


    JN1GKZ ヘンテナ


    JN1GKZ 新井  jn1gkz@jamsat.or.jp

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